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消える歴史遺産 [社会]

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 下記に紹介した記事の通り、昨年から所有者の解体計画をめぐって議論が噴出していた旧三井物産倉庫は、保存を求める声も空しく、あっけなく解体されてしまいました。
 所有者としてみれば、「維持費ばかりがかかって何の利用価値も無いのだから、解体は当然」と言いたい所でしょう。問題なのは、口先では「出来れば保存して欲しい」と要請しておきながら何の援助もしない行政・関係者の無責任な姿勢です。

 横浜市民の立場からすれば、「およそ馬鹿げたカジノ計画に税金を投ずる余裕があるのなら、教育や歴史・文化遺産の保存にもっとお金を使えよ」とも言いたくなります。それこそ、横浜市を”鉄火場(賭博場)”にして一時的に税収が増えたとしても、人心が荒廃したり治安が悪化したりして市民が平穏に暮らせなくなったら、ちゃんと責任を取ってくれるのでしょうかね?林市長サン。 

旧三井物産横浜支店倉庫 解体 正式に着手 保存の声届かず(2014年11月6日 神奈川新聞カナロコ)
 横浜市中区 取り壊しの計画が持ち上がっていた明治末期の倉庫建築、旧三井物産横浜支店倉庫(旧日東倉庫、横浜市中区日本大通)の解体が5日、正式に着工した。所有者の不動産業ケン・コーポレーションが取材に対し明らかにした。専門家からは「世界遺産級の価値がある」との評価もあり、保存の声が高まっていた。  倉庫前には同日、解体計画を記す看板が掲示された。同社によると、近く準備作業に入り、来年2月中旬までに終了する。「保存の声もあったが、予定通り倉庫は解体する」としている。  跡地利用は未定。倉庫に隣接し、同じく明治末期に建てられ建築史的価値が高いとされる旧三井物産横浜支店ビルは、保存するという。  倉庫は1910(明治43)年に完成。れんが、木、鉄筋コンクリートが組み合わされた混構造で、全国的に希少。横浜の生糸貿易を支えた歴史的価値も高いが、これまで所有者が同意せず、文化財指定などは受けていなかった。  市都市デザイン室は「できれば保存を考えてほしいと文書などで申し入れていたが。結果的に解体となったことについては、残念だ」と話す。  建築史が専門の吉田鋼市・横浜国大名誉教授は「倉庫としての空間は、仮に一部の部材が保存されたとしても復元できるものではない」と指摘。専門家組織である横浜歴史資産調査会の米山淳一事務局長は「この倉庫は横浜の歴史の要といえ、このまま失えば歴史的建造物の保存に取り組んできた先達に申し訳ない。残すためのあらゆる方策を諦めず考えている」と話している。

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