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日本列島ダム探訪 ー高滝ダム(千葉県)ー [ダム]

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 房総半島の中心部を流れる養老川(二級河川)にある高滝ダムは、主に洪水調節と水道水確保を目的として90年に完成した多目的ダムです。
 千葉県HPによると、実施計画調査に21年の歳月を費やし、完成までにかかった費用は373億円だった、との事。千葉県の県営ダムとしては”巨費”を投じたようではありますが、現在建設中の八ッ場ダム(概算で5000億円)に比べれば・・・と思えなくもありません。

 今年は「空梅雨」の影響で利根川水系のダムが軒並み貯水率を低下させ、一部では取水制限をする事態となっていますが、高滝ダムの9月2日現在の貯水率は53%。千葉県全体では、前年比87%とやや少なめではあるものの、それほど深刻な事態には至っていないようです。
 とはいえ、普段から「節水」には心がけましょう!!
 (千葉県内ダム貯水率→http://www.pref.chiba.lg.jp/suisei/chosui/chosuijoukyou.html
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日本列島ダム探訪 -草木ダム(群馬県)- [ダム]

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 群馬県と栃木県の境にある草木ダム(群馬県みどり市)は、渡良瀬川の洪水防御と都市部の工業・水道用水の確保、及び水力発電行うことを目的として建設された多目的ダムです。
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 水資源機構作成の資料によると、1958年に建設省が予備調査を開始して以降、1967年から本格的に建設事業に着手。補償問題や反対運動、足尾銅山の鉱毒対策、物価上昇など様々な問題と直面しながら1977年3月に完成した、とのことです。
 草木ダムが完成するまでの総工費は、約500億円。これは昨今建設するかどうかで問題となっている八ツ場ダムの十分の一程度の費用ですから、八ツ場ダム計画がいかに税金の無駄遣いをしているのかがお分かりいただけるでしょう。
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 ちなみに、記者が草木ダムへ訪れたのは、台風の到来で関東地方に大雨が降る前の週だった為、貯水量はかなり減少していました。ダム関係者に話を聞いたところ、関係者曰く「入道雲は出ていて、天気予報でも『夕立が降る』となっているんだけど、渡良瀬川の上流には雨が全く降らない」とのこと。
 一見した限りでは、この日のダム湖の状況はいわゆる”渇水状態”ではないものの、周辺地域の農作物には少なからず影響が出ているようです。

 人間同様、植物もこの暑さにはほとほと参っているのかも??


 
 
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世にも奇妙な?砂防ダム [ダム]

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 本欄では、3年前に比較的珍しい砂防ダムを紹介しましたが(牛伏寺砂防ダム→http://yokohamachuo.blog.so-net.ne.jp/2007-07-01)、先般長野へ出向いた際にまたもや珍しい砂防ダムを見つけました。

 このダムは松本市の”秘境”とも言える扉温泉にあるもので、勿論河川法上のダムではない為、殆どの地図に載っていません。ちなみに、ダムの傍にある禁猟区を示す看板には「松本市大字入山辺扉ダム堰堤」と書かれていました。 
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 ここのすごい所は、砂防ダムにしてはやたら規模が大きく、何と天端を車両で通行することができるのです。しかも、当たり前のように貯水していたりもするのですが、本来土砂の流出を防ぐ為だけに作られる砂防ダムにしては異色の存在と言えるでしょう。勿論、記者の住む神奈川県内には、このような砂防ダムは存在しません。 
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 かつて、田中康夫前知事が「脱ダム宣言」を高らかに掲げて物議をかもしたこともある長野県には、確かに不思議なダムがあちこちに点在しているのです。
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日本列島ダム探訪 -九頭竜ダム(福井県)- [ダム]

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 福井県では最大規模を誇る九頭竜ダムは、完成してから今年で40周年を迎える「ロックフィルダムの老舗」としても知られています。
 現地に行くともらえる”ダムカード”に記載されている情報によると、九頭竜ダムの工事に当たっては25台のダンプカーを米国から輸入するなど最新鋭の建設機械や200t大発破という当時の土木技術の粋を用い、僅か2年半で堤体工事を完了させた、との事です。
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 九頭竜ダムの大きな特徴は、ロックフィル(石垣)が黒い事と、国(国土交通省)と電源開発の共同管理になっている、という点です。この石垣が黒いダムは九頭竜以外にも御母衣ダム(岐阜県)や手取川ダム(石川県)等にも見られる特徴ですが、これは現場の石や砂をそのまま野積みにしたからのようです。ある意味、当時の突貫工事の面影がこうした形でそのまま残されている、とも言えるでしょう。
 また、国と電源開発の共同管理について国交省関係者に尋ねた所、「国はあくまで洪水調節に関わる部分だけ管理しているので、全体的な比率としては1(国):9(電発)くらい」との事でした。
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 ダムそのものの「功罪」については記者も思う所ありますが、この時期、観光がてらに立ち寄ってみるのも一計かも知れません。
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日本列島ダム探訪 -亀山ダム(千葉県)- [ダム]

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 千葉県房総半島の中央部に位置する亀山ダムは、1980年に完成した比較的新しいダムです。
 ダムの概要を説明する看板によると、このダムは2級河川の小櫃川(おびつがわ)河川総合開発事業の一環として建設され、洪水調整、流水の正常な機能の維持及び都市用水の補給を目的としている、との事で、意外にも千葉県では最初の多目的ダムでもあります。
 堤高(ダムの高さ)は34.5m、堤頂長は156.0mの直線重力式コンクリートダムで、千葉県では最大規模を誇ります。
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 ちなみに、写真をご覧の通り、ダムの横には「21世紀への継承遺産」なる随分大げさな看板も立っていますが、上総地区周辺の貴重な水がめになっているのは紛れも無い事実であり、今後も重要な役割を担っていくものと思われます。
 亀山ダムは、JR久留里線上総亀山駅から徒歩で15分ほどで行けるような比較的見学しやすい場所にありますので、久留里線ご利用の際は一度訪れてみる事を、記者としてはおススメします。
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ダムに沈む渓谷? [ダム]

 群馬県の吾妻峡に建設計画が浮上して以来、地域住民の反対等で40年以上も宙に浮いた存在となっていた八ッ場ダムは、今年度からいよいよ本体関連工事の着手に入る見込みとなり、重大な局面を迎えようとしています。

 但し、ダム建設に反対する一都五県の住民が都や県を相手取って行政訴訟を提起しており、現時点に於いても各地方裁判所で審理が行われている最中です。(尚、詳細は「八ッ場ダム訴訟」→http://www.yamba.jpn.org/

 この訴訟の行方について、事業主でもある国は「必ずしも無視をする訳ではないが、計画は粛々と進める」(国交省関係者の話)との意向を示し、基本的には建設を進める予定のようです。しかし、先般記者が現地を見た限りに於いてはダム本体の建設はあまり進んでいる様子もなく、2010年の完成予定がずれ込みそうな雰囲気さえ感じました。

 これは代替地への住民移転問題が一部で難航している(とも言われている)関係もあるのでしょうが、多少は行政訴訟の影響もあるのかも知れません。

 いずれにせよ、ダム建設には多額の事業費(八ッ場ダムの場合、5000億円近くに上ると試算されています)と周辺環境への影響がありますので、国にはくれぐれも慎重に対応してもらいたいものです。場合によっては「勇気ある撤退」という選択肢も検討しなければならない、と言う事は付言しておきます。

 ちなみに今回写真で紹介する場所は、川原湯温泉駅(JR吾妻線)を含め、ダムが建設されれば全て水没する運命にある場所ですので、興味のある方は今のうちに現地に訪れる事をおススメします。

 

 

 

 


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不思議な「砂防ダム」! [ダム]


 長野県松本市の山間にある牛伏寺(ごふくじ)は古くからの名刹のようなのですが、その近くにひっそりと佇む「牛伏寺砂防ダム」はあまり知られていません。
 これは、長野県では砂防ダム自体が珍しいものではない、という事にも起因すると考えられます。砂防ダムはその名の通り、上流からの土砂の流出を防ぐ為のものであって、そもそも「利水目的」(=水道水や農業用水に利用する事)で作られるものではありません。それ故、市民の関心も薄く、勿論大部分の地図にも載っていません。


 しかし牛伏寺砂防ダムは、一般的な砂防ダムの構造とは大きく異なる上に貯水も行っており、砂防以外の何らかの目的で作られた様子も窺えます。記者はこのような砂防ダムを見たのは今回が初めてですが、長野県の一部の地域には同様のダムが存在するとの話は聞いた事があります。

 写真を見ても分かる通り、ダムの上(天端)は通路のようになっており、記者としても何とか渡ってみたいと周囲を探ってみたものの、結局天端に通じる道はどこにもありませんでした。
 いずれにせよ、珍しい存在である事は間違いないでしょう。


日本列島ダム探訪 -浦山ダム(埼玉県)- [ダム]


 東京湾に注ぐ一級河川である荒川の上流に建設された浦山ダム(管理者:水資源機構)は、1999年から本格運用を開始した比較的新しいダムです。
 浦山ダムは、首都圏から70キロ圏内という距離にあるダムにしては規模が大きい事でも知られており、堤高156メートル、堤頂長372メートルというダム本体の大きさは関東地方でも屈指の規模を誇ります。ここで貯水されている水は埼玉県、東京都、地元の秩父市に水道水として供給されており、一部は水力発電にも利用されているとの事です。



 そして、このダムの特徴の一つとして挙げられるのは、「地域に開かれたダム」であるという点です。ダムの中には一般開放通路とエレベーターがあり、日中は150メートル近い高さを自由に行き来する事が可能な為、記者が行った休日は結構多くの観光客がダム見学に訪れていました。ちなみに、最寄り駅の浦山口(秩父鉄道)からも歩いて20分程と近く、列車からもダムの姿が一部だけ眺める事が出来ます。

 今年は四国を筆頭に各地で水不足が囁かれていますので、こういう時期こそダムを見学してその「功罪」を考えてみるのもいいかも知れません。


日本列島ダム探訪 -夜明ダム(福岡県)- [ダム]


 福岡県うきは市と大分県日田市の境にある夜明ダムは、1954年から本格運用を開始した九州電力の水力発電専用のダムです。
 北九州地区を代表する大河、筑後川の最下流に位置する夜明ダムの堤高は15.0メートルで、これは河川法の規定上、最も低い高さのダムでもあります。また、ここは建設中の1953年6月に集中豪雨によってダムの一部が決壊するという悲劇に見舞われた事でも知られています。


 夜明ダムは、JR久大本線と国道沿いに位置するので列車からも一瞬だけ眺める事が出来ますが、夜明駅から徒歩では30分ほどかかります。ただ国道には歩道がない為、車で行った方が無難だと思われます。


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